グアヒーラ
フラメンコ曲種解説

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GUAJIRA グアヒーラ

フラメンコ曲種解説をご紹介します。

名前の由来と歴史

グアヒーラは、スペイン移民者がキューバの地で付けられたグアヒーロ(白人の農民者)からきている名前である。キューバの大衆歌であったものがタンゴ・ガディターノ(カディスのタンゴ)の新しいリズムのフラメンコのなかに取りこまれ生まれた。
1898年のキューバ戦争終戦後、多くのスペイン人移民たちは悲しみ一杯で母国スペインへと戻ってきた。だがグアヒーラがカディスに到着した時には明朗さを取り戻して、愛やハバナの美しさや魅惑を新しく歌詞に取りこまれ歌われた。そして官能的で、卑猥で、太陽に溢れたカリブの懐古を詰め込んだIda y Vuelta(行き帰り)の歌として扱われている。グアヒーラの歌がもっともピークを迎えた時期は20世紀の初期であった。それはフラメンコ・オペラのもっとも推進した時代と一致する。その時期グアヒーラの歌い手として大きな成功をおさめたのはクーロ・ドゥルセである。
特色

カンテやファルセータ(ギターのメロディー)とともに、踊りはとても優雅に簡潔なリズムで踊られる。アバニコを使用して踊られるのが一般的である。
また、ギターの巨匠である、ラモン・モントーヤやミゲル・ボルールのギターソロ演奏によってグアヒーラは、ギター奏者の功績をあげるのに貢献した。
音楽形式

主にホ長調・イ長調で演奏される。コンパスの構成は12拍であり、6/8拍子と3/4拍子の混合リズムで形成されている。< 1・2・3・1・2・3・1・2・1・2・1・2 >
歌の形式

8音節の10行詩の連節からなる。
レトラ紹介

Guajirito de mi pensamiento
canta, canta despacito,
a guitarra no ha de *rajear
porque el cante pide puntear
我が心のグアヒーロよ
ゆっくりと歌っておくれ
伴奏のギターはかき鳴らさず やさしくつま弾いておくれ。
*rejear = rasguear